手を叩くと…光が「パパパッ!」って走っていく。
まずは動画を御覧ください!
音は1秒間に約340メートルの速さで空気中を伝わります。
日常生活の中でこの「音速」を意識することはあまりないかもしれませんが、雷が光ってから音が聞こえるまでの時間差や、花火が光ってから「ドーン」と響くまでの間――そんな経験から、音に“速さ”があることを体感したことのある方も多いのではないでしょうか。
この音の速さを「目で見る」ことはできないか?それが、今回の実験の出発点でした。しかも平面的に音が広がっていく様子を可視化できたら面白いのでは?
使用するセンサーの仕組みはとてもシンプルです。マイクとLEDを組み合わせて、「音を検知したら光る」というだけ。センサー同士が通信したり、複雑な制御をしたりといったことはしません。
ただし、平面に並べるとなると、必要なセンサーの数は膨大になります。数百個ものセンサーを自分の手ではんだ付けして作るのはさすがに無理がある……。そこで、部品をすべて表面実装のものにして、組み立てを外注することにしました。JLCCPCBでコストの見積もりをしてみると、なんとか現実的なラインに乗せられそうだとわかり、プロジェクトを進めることにしました。
実際に作ったセンサーの技術的な話はProtoPediaにまとめましたので興味ある方はこちらへどうぞ↓
そんなこんなで、なんとか200個のセンサーを作り上げて、いざ実験!その様子をまとめたのが、冒頭に掲載した動画です。
今回の実験は、ミニバスケットコートが1面入る程度の体育館を使って行いました。広さとしては、長辺がだいたい30メートル弱といったところ。その中で約20メートルの直線上に、200個のセンサーを等間隔に並べてみました。音速は約秒速340メートルですから、片端で発した音が反対側に届くまでにかかる時間は、およそ0.06秒。ほんの一瞬ですが、センサーが順番にパパパッと光っていくことで、そのわずかな時間差が「目で見て」わかりました。
実際の実験動画がこちらです:
さて次に平面にセンサーを敷き詰めます。200個あるので、横10個x縦20個のマトリクス状に敷き詰めました。これで音の広がりを観測することはできるか…?まずは端で手を叩いてみます。
このテーマは昔からさまざまな方法で取り組まれていて、有名な例としてはNHKの「大科学実験」があります。
旗を持った人が等間隔に並び、列の端で鳴った音を聞いた瞬間に旗を上げる――音の伝わりが、旗が順番に上がっていく様子で“見える”という実験です。
この放送は2010年のものでしたが、私自身子供の頃にNHK教育番組や、学研の雑誌、理科の教科書などで似たような実験を見た記憶があります。この方式は多くの人と綿密な訓練が必要で、個人で再現するのはなかなかハードルが高いんですよね。YouTubeにも同じように人が並んだり、センサーを使って音速を可視化する動画が色々と投稿されています。
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