出先で作業する際に安定化電源とハンダゴテを持ち運ぶのが大変だったので、軽量化への試行錯誤の結果です。
■電源
まず、自分が(出先での作業時に)電源に何を求めているのかと考えてみると
- 5Vの出力
- 使用している電流がわかる機能
- 時々12Vを使いたい
というのが最低限あれば大丈夫でした
じゃあもうPD対応のUSB充電器があればいいのではないかと
昔ながらのUSBは5Vの電圧を供給していますが、USB-PDと書かれている充電器は5V,9V,12V,15V,20Vといった電圧を出す機能があります。電圧を高くすることによりスマホなどに急速充電ができるようになっているのですね。ただ、電気を受け取る側の機器が5Vにしか対応していないのに20Vを供給すると壊れてしまいます。そのため、5Vより高い電圧を出すためにはまず通信して対応電圧を供給先と確認するということをやっています。
自分で任意の電圧を取り出したいときは「トリガー基板」というものを用いることにより電源が出す電圧をコントロールすることが出来ます。Amazonなどでもこのようなものが手に入ります。
USB-PD対応の充電器とこのトリガー基板を使えばやりたいことが出来そうです。
このままでは自分で設定した電圧はDIPスイッチで確認できるものの、本当にその電圧が出てるのか不安なのでは別途確認したいです。また、流れている電流も見えると例えば回路をショートしていたときなど異変に気づけます。
というわけで今度はこんな製品
USB用の電圧電流チェッカーというものを使えば実際の電流電圧がモニタリングが出来ます。
これらでやりたいことはほぼ達成ですが、一つ問題なのはトリガー基板がむき出しなこと。出先で作業するときはごちゃついた机の上だったり床の上だったり不特定の環境なため、むき出しはちょっと怖いです。なので基板をカバーするジャケットを設計しました。
このジャケットの形状は上記のトリガー基板と電流チェッカー用に作っています。
こちらにてSTLとSTEPの形式でモデルを配布していますので、興味ありましたら使って下さい
https://www.thingiverse.com/thing:6957687
設計のポイントとしては
- なるべく小さく
- 電流チェッカーとシームレスに結合する
- 抜き差しする際に持ちやすいようにくびれを作る
- 電源の+側がわかりやすいように「+」の刻印
- サポート無しで3Dプリントできる形状
こんなふうに立てて印刷するとサポート無しで印刷できます。
狙い通りかなりコンパクトになりました。横から見ると電流電圧チェッカーとシームレスに繋がっているのがわかります。電圧選択のDIPスイッチは一度ジャケットから出して変更するので、意図せず触っていきなり高電圧で回路を破壊することはありません。
今まで写真上の黒い電源を持ち歩いていましたが、かなり小さく軽くなりました。
注意事項として、この構成では電圧の微調整や電流リミットの設定は出来ません。また、出力できる電圧電流は充電器の性能に依存します。
■ハンダゴテ
作業用にはんだごても購入しました。前から気になっていたALENTEKのT65ハンダゴテ。
USB type-Cで直接給電して使うことが出来ます。ハンダゴテもおすすめなのですが、今回特におすすめしたいのがHozanのコテ台H-11。ねじ込み式の蓋があるので移動時にハンダカスが飛び散ってしまうことがありません。
こてを置くスタンドが畳めてコンパクトになります。
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